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家は運の良しあしではなく、縁のあるものを選ぶしかないのだ。どんなに欲しい物件だって、その時おかねがなければ買えない。
手の届くものだってタイミングを逃してしまえば、それまでだ。
その縁とタイミングを逃さぬように、不動産情報に目を光らしているしかない。
何とも地味な話になったが、街の不動産屋でみたりインターネットの情報をこまめにチェックしてみると段々ものの、よしあしもわかるようになってきた。
同時に地に足の着いたイメージも、それなりに固まってきたのである。
始めは自分の理想の一軒家をめざしていた。
古い家もかなりチェックしていた。
しかし築50年の家をてにいれて、そこで生涯過ごすとしたら…平均寿命までいきたとしたら、築100年をこえてしまう。
戦後の仕舞屋は、そこまで堅牢な作りの家は存在しないし、年取ってからのリフォーム、あるいは引っ越しはかなりの負担にちがいない。
次に土地を買って家を建てることだが、それも比べているうえで、だんだん魅力がなくなってきた。・・というか金銭的に無理。
風水的にきれいな家を建てたいなら
最低でも100坪のきれいな長方形の土地が必要。生まれも育ちも、東京の加門七海さんは、東京を出たいと思わない。
少なくとも神田古書店街に通える距離に居をかまえたい。
そうなるともう奇麗なかたちの長方形なんて、土地を買うだけで破産する。あとは建売か、マンションか・・・この魅力のなさといったら・・なんで和室が少ないわけ?
いまどきの家を買うには、あまりにもくくりが多すぎる。・・・「やっぱり買うのはやめようかなあ」
ところが突然、条件をしぼりこむ大きな要素が浮上したのだ。。。
それは地球温暖化の問題だった。
東京ではもう夕涼みなど期待できない。
ベイエリアのビル群が、海風をさえぎってしまったせいだ。
関東近郊は人為的に温暖化が進んでしまったのだ。熊谷の気温が全国最高となり始めたのもこのころだ。
息苦しい熱帯夜がつづくため、私は呪い交じりの願いをつぶやいた。加門七海さんは見た目は大丈夫だが、気温の変化に弱いのだ。
温暖化のダメージは大きかったのだ。
「標高を稼ぐしかない」
実家にいるころ、仕事兼書庫としてマンションを借りていたのだが、思いのほか吹く風はすずしかったのだ。
6回のマンションは、もう一つ魅力があって…虫がこない!
つまり今後悪化する一途であろう温暖化と虫事情をのりきるために、マンションしかないということだ。
私は条件を書きだした
1.生まれ育った場所に近く、地縁のある町。
2.できれば江戸の朱引内
3.駅に近くなく、とはいえ、歩いて駅に行ける場所。
4.若者に人気のスポットが近くにないこと。
5.デパートが無くてもいいけど、昔ながらの商店街があり、銭湯もある。
6.本屋だけはそれなりの規模の店がある。
7.いい神社、または寺があり、氏神様と気が合う。
8.野良猫に優しい。
9.そして何もいな…くない場所!
何がいるかいないかはご想像におまかせするが、一応断っておくならば私は怪談実話なんども書く程度の心霊体験はもっている。
凶悪なものは勘弁だけど、たわいないものはいたほうがいい。
それらがいるということが、人と神仏との歴史があり、緑があり、水が豊かな証拠だと、経験上私はかんがえている。
目に見える条件を満たした土地を、数か所しぼった。そして物件が出るのを、ひたすら待った。
そうして私はやっと腰を上げ、自分の目で3件のマンションを見に行くことにした。。。