神社にお参りに行くとき必ず、おみくじを引きます。それが楽しいという人もいると思います。たいがい、思い当たるような言葉がでています。
凶が入っているおみくじを出している有名な神社もありますよね。
凶や大凶が出たときは、やはり怖くなります
・・・そんな、こわい御神籤の話です。
永井さんは巫女の助勤をしていました。
彼女は高校一年生から、四国の神社で巫女の助勤を始めました。
大学卒業してもしばらく続けたというので、10年ほども務めたことになります。
中学校を卒業するとき、高校生になったらアルバイトがしたいと両親に相談して反対されていました。
理由は不良になるから
なんどもそんなことはない古い考えだ。バイトをしたことがあるのかと反論したが許してもらえませんでした。
高校の入学式をひかえたある日、これならいいと父が話をもってきた。それは近所の神社の巫女でした。
父親の同級生から「巫女の助勤をやってみないか」と言われたそうです。
仕事内容は
境内の掃除や、お守りの販売、お祭りの手伝いなどいろいろでした。
巫女装束を着て業務にあたるのでした。
最初の頃は同級生たちにひやかされたが、いつしか慣れ対応がどうに入ってくるとチャカしてくるものは、いなくなった。
もちろん、彼女が不良になるとか道をはずすこともなかった。
大学を卒業したら稼業を継ぐために、両親の手伝いをしなければならない
自営業で副業が可能だったことで、せっかく続けてきたことでもったいないという理由で
大学卒業後も土日だけ社務所に出入りするようになりました。
彼女が大学を卒業して二年目のことでした。
いつものように、社務所窓口で書類の整理をしていた時
すると地元では見慣れないカップルらしい若い男女がしめられた窓をノックしてきました。
「何でしょうか?」
「そこで引いた御神籤なんですけど・・」渋い顔で彼氏が一枚の黒い紙を差し出してきました。
「失礼します」と受け取りました。
受け取って確認すると、そこには黒字に白文字でと大凶と大きく書かれています。
「ありえない・・」
続いて本文として健康運・仕事運・恋愛運などが小さな文字で印刷されていました。
健康運 難病に苦しむでしょう
金運 空き巣が入ります
恋愛運 死ぬまで異性とは縁がありません
うわっ・・これってイタズラじゃない?
確認した長井さんも思わず眉をひそめた
なぜなら、この神社では「凶」や「大凶」を入れていない。クレームになるからだ。
せっかく参拝にきたのに暗い気分になった・・・
誰しも、お前の人生ではこの先、悪いことがおこると言われれば不愉快になるのは当然だ。
この御神籤はイタズラの可能性がある
この神社については御神籤はセルフで、社務所の横にある小さい賽銭箱に百円玉を入れて六角形の形をした御神籤箱を振り、出てきた棒に書いてある番号の引き出しをあけると、御神籤の紙が入っている。
だから誰かがイタズラで「大凶」の紙を作り入れた可能性がかんがえられるが
だが昼間は自分以外にも、神職や巫女がいるし、夜は宿直のものが目を光らせている。
ありえないことではないが考えずらい
何番にはいっていましたか?
カップルに番号を聞き、確かめるがそこには吉の御神籤が入っていて、黒い紙など1枚もなかった。
カップルには何かの手違いだったと伝えて返金し、本来引くはずであった吉の御神籤をわたして、丁重におかえりいただいた。
「大吉」を入れない神社がある。大吉を引いたのにかかわらず、なにもいいことがなかった責任をと取れ!という、言いがかりのようなクレームを言いに来る参拝客もいるようです。
帰り際、宮司に今日あったクレームを話しました。
最初はいつものようにニコニコと報告を聞いていた宮司が、にわかに顔をくもらせた・・・
「あの・・・どうかしたのですか?」
これまで見たことのない表情だったので彼女は戸惑ったが・・・
今よりも30年前にも凶と大凶が出たことがあったことを話し始めた・・
当時は参拝に来るのは地元の人たちがほとんどだったが、参拝客が大勢来るのは初もうで。近所の人々がこぞって押し寄せる。
当然御神籤を引くものも多くいました。
元旦のこと、なにやら社務所が騒がしい
いったいどうしたのかと、駆け付けてみればガラの悪い高校生の二人組が、巫女さんを怒鳴っていた。
どうやら彼らは御神籤の結果が大凶で気にくわない!金を返せと言っているようだった。
父親が駆け付けると「そんなはずはない!冗談はよしてくれ!うちは「凶」「大凶」を入れてないんだ!」怒鳴り返した!!
そして男二人から、御神籤を取り上げると破って、社務所のゴミ箱に投げ入れました。
宮司はゴミ箱から取り出して、御神籤を読んでみた
健康運・・・先はないでしょう
金運・・・お金を持っていても無駄でしょう
恋愛運・・・望みはありません
あの男二人組が交通事故で死んだと聞かされたのは、それから一週間後でした。
さらに翌年も同じようなクレームがあり、自宅が火事で全焼し、焼死体となって発見された。。。
うちで凶や大凶がでるのは本当に不吉なのだ
だから、うちで凶や大凶がでるのは、ほんとうに不吉なのだと宮司は、長井さんに語った。
その後、あのカップルは変わり果てた姿で発見されました。
同じ日に亡くなったのに、違う場所で発見されていました。
女性のほうは神社の階段から早朝、転がり落ちる瞬間を宿直明けの神職に目撃されています。
その通報で駆け付けた警察官から、すでにこと切れていることが告げられました。
また男性のほうはその階段下の歩道から、歩道橋を渡った先で、大通りに飛び出したところをトラックで轢かれ即死してしまったそうです。
この男性が亡くなったのは女性と同じ時刻だった。
今になってもなお、なぜ彼らが早朝に神社を訪れていたかは謎のままでした。
この先も、その神社で大凶が出ないことを祈るばかりだと長井さんは話していました。。。