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気になることは何でも、こだわって調べる加門七海さん~たてもの怪談・気学の占い師

日本の昔のお店
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大学のころ、ふらりと立ち寄った占い師は本当によくあてた。

その人は、加門さんが将来、文章を書くことで身をたてると言い・・その時は「何をトンチンカンなことを」と思っていたが、後で考えてみると、結果はほぼ、あたっていた。

くわえて、方位の良し悪しなんて、データさえ、きちんと揃っていれば、プロは読み違えないだろう。小さな椅子にすわって、占い師に要件をきりだした。

「今年から来年の間に、引っ越しを考えているのですが、いつがいいか教えてください。また、悪かった場合アドバイスをいただきたいのですが。」

「場所はもう決まっているの?では、まず、あなたの生年月日を教えてください。」

白髪をきちんと結い上げた老婦人めいた占い師は、おっとりとした口調で用紙をすすめた。やがて、老婦人風の占い師は、暦をみたまま、私の星まわりについて、語り始めた。

「あなたは○○星の生まれだから・・・」

とたん、私はペンを持った手をとめて、反射的に返していた。「違います。1月生まれですから、一つ前の干支になります。」

東洋の占いはすべて旧暦で判断する。そんなこと、素人の私だって知っているよ。老婦人は「ああ、そうね。」とつぶやいて吉方位を、口にするだけだ。

「今年は不動産を買うには、いい星まわりよ」 「そうですか!」「じゃあ、後はどんな物件を買い、どの方角がよいかですね?」

多少、ボケていいてもプロの後押しは強い。わたしがニコニコ微笑むと、老婦人は「これって、どのあたりなのかしら?地図をもってないのよね」

…なんですと?・・地図を持たなくても、風水師と名乗れるの? いやあ、まあ・・日本の風水師は家相は重視しても、土地の良しあしは、あまり気にしない。

加門さんは、ここの所持ち歩いて眺めていた東京都の地図を取り出した。「家はここで、考えている物件はここです。」私は指で地図を示した。

「ええと。では南東に引っ越すのね?」     「…違います。南南東。巳の方角です。」

南東の巽と南南東の巳では、意味が全然違ってくる。それを間違っては、話にならない。

占い師は、さすがにバツが悪い顔をして、地図とあんちょこに首っぴきになったのち、「今年の年の方位はいいわよ。」それももう、わかっているが、一応うなずいて私は続けた。

「もしかしたら、引っ越しは来年になるかもしれません。来年はどうでしょう?」占い師は困った顔をした。・・・・「来年の暦はまだ、でてないのよ。」…「出てるよ。持ってるよ。」私は地図を地図を引っ込めた。

占い師さすがに恐縮したようで、数秒口をつぐんだ後、いきなり早口でしゃべりはじめた。

「私じつは、数秘術のほうが得意なの。あなたの運をそれで見てあげるわね。・・・・」    私は一応、彼女のフォローに、付き合ってあげることにした・・が、その制度もかなり、甘いものであった。(しかしなあ~このレベルで通用するから、日本の占いはだめなんだよなあ。きくほうも、みるほうも娯楽感覚。客が遊び半分だから、下手な占い師が淘汰されないし、いい占い師も育たないんだよ。)

話を流し聞きながら、ひそかに感慨にふけっていると、ひととおり喋り終えた占い師は、ハレバレとした顔で「では12000円いただきます。」 「イ、一万・・二?」ええ?こういうのって、当たらなくても換算されるの?地図がなく、来年の暦がなくてもお金を取るの!?        

私は呪詛を込めて金をはらい、足早に立ち去った。ちなみに、この呪詛がきいたはずは、ないのだが、私が越したころには、もうその占い師はいなかった。

結局、時間と金を損しただけで占いは役にたたなかった。ただ、あの程度で看板をだせるなら、(物書きで、行き詰ったら占い師をやろうかなあ~)

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