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末期がんの保護猫「アブ」の話~ペットの声が聞こえたら

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この話はHONKOWAに掲載されていた漫画オノユウリ・原案、塩田妙玄さんのお話です。

保護猫の活動をしている妙玄さんと愛さんのものがたりです。

夏頃‥愛さんが車道のわきで、横たわっている猫ををみつけました。

施設にやってきた白地にグレー模様の猫

首がずいぶん腫れていたそうです。毛も抜けて、穴も開いてて、まるで首に荷物をせおってるようでした。

声を出すと、凄いしゃがれ声。まるで酒やけしているようだという愛さんの言葉でなまえは「アブ」になりました。

そしてアブは出されたご飯をガツガツとたべました。そして病院にいきました。

麻酔をし検査をするとガンということでした。

茉莉

線扁平上皮癌でした

食欲旺盛でげんきそうに見えたのに、アブのガンは全身に転移していました。

ボン

余命は2~3か月と言われました・・・

たとえ一か月でも、お腹いっぱい美味しいものをたべて、楽しい生活をさせてあげたいという希望で首の腫瘍をとりのぞきました。

ゆうちゃん

アブはおとなしい猫でした。傷の治りもとても早く体も丸々してきました。

そしてカラーを外して外にでれるようになりました。

乱暴でもないのに、なぜか周りの猫にすかれないアブでしたが、夏に余命2~3ヶ月と言われていた、アブでしたが施設のみんなと冬を越していました。

妙玄さんが夜のゆたんぽを替えようとしていた時、映像が浮かんできました。

アブが母猫に抱かれて気持ちよくなっている映像がみえたのです・・・・アブはおしっこをもらしていたのです。

植木におしっこをしたと、人間に水をかけられている場面もみえてきたのです。

アブさんと愛さんは、アブが爪を立てても、おもらしをしても、アブに優しくしました。

意地悪ばあさんミッツ登場!

アブに目をつけたミッツは、アブに襲い掛かります。友達ができないのに宿敵ができた、アブ

そのうち、アブがきて7か月…耳の腫瘍が大きくなり、出血していたので片耳だけ手術できりのぞきました。

体の回復の中で金網に隔離している、アブに向かって、しつこく挑発するミッツ

二匹を生涯、離しておかないといけないと妙玄さんたちは本当におもいました。

しかし、ある夜。ミッツとアブが一緒の網の中にいるのを見つけて驚きました!!

いつも夜はそとにでていたミッツなのに、どうして一緒に!?

ミッツのぼこぼこにやられたアブ

しかし、なんとこれを機会に二人は仲良くなっていったのです。

どうやらミッツはアブを、ぼこぼこにして満足したようなんですよ。

…驚いた、こんな風に和解するなんて・・・

そんなある日、網の中にはいっているアブをみているミッツから「お願い、アブをだしてあげて!」と声が妙玄さんに聞こえてきました。

「アブのこと嫌いじゃなかったの?」

「アブもなかなかのもんにゃー、けっこういいやつなんにゃあ」二人はこれから仲良しになりました。

保護して10ヶ月近く、アブの食欲がおちてきました。

寛解のための苦い薬はやめ、ホスピス的な過ごし方にシフトしました。

ミッツはずっとアブのことを見守っていました。

食べなくなってしばらくしてアブは、静かに息をひひきとりました。

そばにいた妙玄さんが愛さんに知らせなくてはと、おもっているとき・・・

アブのまわりに・・・なにか物体のようなものが浮かんでくるのが見えてみたのです。

それはアブが保護されてからの、幸せな思い出のかずかずでした。そしてアブの声が聞こえてきたのです。

持って逝きたい。ぜんぶ持って逝きたい。

ここに来てからの幸せの時間をアブは持って逝きたいというのです。

アブと一緒にたいせつな思い出をひとつひとつタオルに包んでいくような観法をしました。

そのとき癌の思い出を手にして迷ってるときアブの声が聞こえてきました。

それも入れて!アブが言うのです。

そのときアブが愛さんに話しかけられている光景がみえてきたのです。

アブ・・手術で痛くさせてごめんな‥けど病気だったから、施設で保護できたんだもんなあ・・と愛さんがアブに話しかけている光景でした。

これがあったから、ここに来た・・・・

アブはたくさんの思い出を背負って虹の橋をわたっていきました。

アブにとって癌さえも大切な思い出なのでした。アブに人生の意味をおしえてもらったことでした。 アブありがとう。

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